COVID-19のもと、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
業務無線の受信は、どんどんデジタル化が進み、受信できるのは航空無線、VHF船舶無線、警備無線、イベント無線などになってしまいました。
これらの無線のほとんどは、空港や港、イベント開催場所などに移動しないと受信が楽しめないものがほとんどです。
だから、コロナ禍の外出規制やイベント中止で、受信を楽しむ機会が極端に減ってしまいました。
それでも、初夏にはプロ野球やJリーグが再開し、徐々にイベントなども増えてきて、受信機会は増えてきました。
相変わらずJ2リーグのスタジアムで受信
私は、相変わらずJリーグのスタジアムでの受信活動を続けています。
最近は、警備や運営スタッフの無線ではなくて、プレー中のコーチにトランシーバーの交信を積極的に聞いています。
Jリーグのシーズンも終盤に近づいてきたので、Jリーグ、特にJ2リーグでのトランシーバーの使い方についてまとめてみましょう。
トランシーバーを使っているチームはそれほど多くない
実は、トランシーバーを使っているチームはそれほど多くはありません。
ざっとした印象ですが、リーグの半数ぐらいしか使っていないでしょう。
トランシーバーは、特定小電力無線トランシーバー などは、安価なものでは数千円で購入できますし、上位チームで特小無線トランシーバーを活用しているチームもあります。
しかし、業務用と指定一般的なデジタル簡易無線トランシーバーは、数万円のものが多いので、予算的にあまり潤沢ではないJ2リーグの下位チームでは、購入するのがきつい様です。
またJ2の下位チームは、人件費も最小限のところが多いので、コーチの陣容も十分とは言えず、だから試合中にトランシーバー を使う必要がないということもあるでしょう。
J2の上位チームはトランシーバーを活用
しかし、上位チームのほとんどはトランシーバーを使っている様に感じます。
しかも、トランシーバーを有効に活用しているチームほど、上位にいる傾向があります。
多くのチームはデジタル簡易無線トランシーバーを使っていますが、スクランブルをかけているチームは、今まで中堅の1チームだけですから、デジタル簡易無線トランシーバーをスタジアムに持ち込むと、サッカーを別の側面から楽しむことができそうです。
あと、無線以外に1チームだけ、スマホを使ったトランシーバーを使っているチームがありました。
残念ながら、スマホを使ったトランシーバーは我々は受信することができません。
J1はスマホなので聴けない
J1リーグの多くのチームは、テレビで様子を見ている限りでは、スマホを使った無線システムを使っているチームの方が多そうです。
スマホを使ったシステムは、スマホの毎月の通信料とか、システムの購入費用とか、結構料金がかかると思うので、J2の中堅以下のチームでは、費用負担が大変だと思うので、今後ともJ2チームではデジタル簡易無線の利用が減ることはないでしょう。
J2でスマホのトランシーバーシステムを使っていたチームは、親会社が日本有数の家電通販の会社ですので、そういったこともあるのでしょうか。
トランシーバーはどんなことに使っている?
さて、実際にJリーグのコーチは、どんなことにトランシーバーを使っているのでしょうか。
J1への昇格圏内にいる徳島ヴォルティスとアビスパ福岡の2チームは、とても熱心にトランシーバーで交信していました。
戦略の伝達
試合前に確認した戦略をプレー中にも確認するためめに、チーム内で共有するためにトランシーバーを使っています。
相手チームの戦略チェック
相手チームの戦略は、実際にプレーが始まってみないとわかりませんから、スタジアムの観客席の上の方に陣取ったコーチが、相手の布陣に始まって、どの選手がキーマンとなっているのかなど、観察結果をベンチに報告します。
自チーム選手の動き方の修正
試合前の打ち合わせや練流通りには試合はなかなか進みません。
選手は自分の相対する選手しか見えませんので、自分が良かれと思ってとった行動が、チーム全体に致命的な影響を与えることもあります。
観客席に陣取ったコーチは、そういった選手一人ひとりの動きを、チーム全体への影響を考えて、もし問題だった場合には、ピッチのそばにいるコーチに連絡して、戦略の修正を図ったり、選手に修正を促したりしています。
スタジアムでトランシーバー の交信を聞いてみよう!
徳島ヴォルティスとアビスパ福岡は、とても熱心に試合中にトランシーバーを使って、試合を有利に進める努力をしています。
ぜひスタジアムでトランシーバーの交信を受信して、選手や監督の影に隠れがちないコーチたちの努力を、直接耳から感じてみてください。