ラジオライフ6月号にIC-R30のレビューが記載されています。
書いてある内容は、ここまで自分が使ってきて感じた感想と同じです。
とにかく、自分の受信環境を一変するといっても間違いない、画期的な受信機です。
2チャンネル同時受信が普通にできますから、アナログからデジタルへの移行の過渡期である簡易業務請負無線の受信では、デジタルとアナログを同時に聞くことができるし、UHFエアーでは、敵味方に別れて行われるACMの受信もこれ一台でできるようになります。
個人的には、AR-DV10の出来はよくわかりませんが、128,000円もAR-DV10にお金をかけるのなら、IC-R30をもう一台買ったほうがいいような気がしています。
IC-R30のBluetooth機能
さて、ラジオライフのレビューに記載されていなかった機能として、Bluetooth機能があります。
Bluetooth機能も、私がIC-R30を即買いに至らしめた理由の一つですので、早速試してみました。
IC-R30のBluetoothは、イヤフォンとの接続と本体機能コントロールです。
ICOMの純正オプションで、本体のコントロール機能つきのBluetoothイヤフォンが出ていますが、さすがに受信だけに買うオプションとしてはちょっと割高な気がしますので、音楽用として所有しているBluetoothイヤフォンを使ってみました。
BOSEのBluetoothイヤフォンと接続してみる
手持ちのBOSEのSoundSports Free wireless headphoneと接続してみました。
このイヤフォンは、最近はやりの完全ワイヤレスのイヤフォンで、モノラルの場合は片耳でも使用できるというものです。
接続はカンタン
IC-R30とデバイスの接続はいたって簡単です。
デバイスの説明書に従ってBluetoothの接続モードに変更した後、IC-R30本体のBluetooth接続メニューからデバイス選択モードに入り該当のイヤフォンを選択しenter keyを押すだけです。
なんのコードも入力する必要もなく、簡単にデバイスとの接続が完了します。
肝心の音質
肝心の音質ですが、まずは、接続しているデバイスが、オーディオ用であるということを考慮する必要があります。
音声さえ伝わればいいというコンセプトで作られている無線機と、様々な音域を余すことなく伝えることを目的として作られたオーディオ機器との接続は、いろいろなところで無理が生じます。
しかし、音声自体は、かなり結構いい音で聞こえます。
BOSEのイヤフォンで聴いた後、アシダ音響の無線用イヤフォンを使うと、かなり物足りない音に感じてしまいます。
しかし、いろいろな問題があることも確認できました。
無音時にヒスノイズがある
まず、通信が無い時の無音時にヒスノイズがします。
AORのAR-8200で通信用イヤフォンをしようしているような感じと言えばいいでしょうか。
周辺の音が結構ある屋外で使用しているとあまり気になりませんが、静かな場所とか屋内で利用している時は結構気になります。
無音時にブツブツというノイズが気になる
無音時に気になるのが、ブツブツといった感じでノイズが発生します。
できの悪いスケルチの、スレッショルドレベル限界で発生する音に近い感じです。
最初、スケルチの設定が悪いのかと、スケルチレベルを調整してみましたが、特に変わりがありませんでした。
また、本体にイヤフォンを直接挿して聞くとブツブツ音は発生しませんでした。
これから、Bluetoothイヤフォンで聴いている時の発生するノイズだろうと推定しています。
これが、自分が使っているイヤフォンの特性なのか、それともIC-R30側の問題であるのか、今のところよくわかっていません。
本体からイヤフォンを切断すると本体から音が出てくる
スマホと接続しているBluetoothイヤフォンは、本体との接続を切ると自動的に本体の再生が止まりますから、本体からの音声がスピーカーから漏れることはありません。
しかしIC-R30の場合、接続が切れるということは単に接続が切れるだけなので、本体のボリュームはそのまま。
もし、本体で何らかの通信を受信していた場合は、本体のスピーカーからそのまま音が流れてしまい、電車の中や静かな場所だと、思いっきり不審がられることは間違いありません。
IC-R30との接続を解除する場合は、IC-R30の電源をOFFにするか、ボリュームを落としておく必要があります。
それでもワイヤレス受信は快適そのもの
いろいろと問題点はあるのですが、それでもワイヤレス受信は快適そのものです。
街中では、IC-R30本体はバッグの中に忍ばせて、音声はBluetoothイヤフォンで聴いていれば、無線用イヤフォンで聴いている怪しさはかなり軽減されるのではないかと思います。
無線を受信しているとわかると危ない目にあうことが想定される場所での受信に最適ではないでしょうか。
何よりも、本体と耳を繋いでいる線がないということは、その分行動の制約が少なくなるわけで、様々環境で受信することになるハンディ機にとって最も重要なことだと思うのです。