IP無線ってなんだ?
IP 無線って言葉を聞いたことがありますか?
今無線業界で流行りの言葉なんです。
IP無線ってなんだ?
IP 無線の IP とはもちろんインターネットプロトコルの略です。
インターネットプロトコルを利用した無線装置を IP 無線と言います。
今現在ではスマホなどの電波を利用したトランシーバーを IP 無線と呼ぶようになっています。
簡単に言えばスマホの電波を利用したトランシーバーとなります。
IP 無線の最大の特徴はスマホが利用できるところであれば日本全国どこでもトランシーバーを利用できます。
日本全国と通信できる
従来のトランシーバーはトランシーバー同士が電波でやり取りをし交信していましたので、距離が離れたとしても数km の距離しか交信できませんでした。
しかし IP 無線はスマホの電波を利用しているので、相手のトランシーバーがスマホの電波が届いている場所であれば日本全国どこにいても交信できます。
例えば北海道の稚内にいる IP 無線トランシーバーを使って、沖縄にいる仲間のトランシーバーと交信ができるのです。
災害時における情報伝達手段として導入した災害対策用IP無線機を、災害時の相互応援協定を締結している15の自治体に、職員がお渡しして来ました。これからも協定締結自治体と普段から顔の見える関係を築き、災害に備えていきます。#葛飾 https://t.co/6GvUtNHGg7 pic.twitter.com/xyjSjHPHLb
— 葛飾区 (@katsushika_city) 2019年3月18日
これは無線業界にとってはとても画期的なことですが、直接連絡を取り合うのであれば、携帯電話が数十年前に可能としているので今更新しいことではありません。
資格・免許がいらない
今までと違うところは、トランシーバーという携帯を取っていることです。
しかも IP 無線は全国と通信ができるのに、免許がいらないトランシーバーなのです。
スマホと同じように毎月の基本料金は必要ですが、無線の資格がいらないのでとても手軽に使えます。
免許がいらないのでレンタルで使用もできます。
普段使ってる以上の台数が必要な場合は、レンタルのトランシーバーを使用することで急場をしのぐことができます。
一般的な業務の使用環境において IP 無線は最強であると言えます。
トランシーバーのメリットは残ったまま
トランシーバーのメリットは一斉にチームに連絡を取れることです。
携帯電話やスマホのように1対1の連絡ではなく、トランシーバーを利用している仲間全員に一斉に同じ情報を連絡ができる、それがトランシーバーの一番のメリットになります。
連絡したい相手の電話番号を検索、そして相手が出るのを待つ、そういった面倒くさい事は一切必要なく マイクを開いて呼び出しただけで相手と通信ができるのがトランシーバーのメリットです。
1対1の通信であっても仲間に通信内容は聞こえているので、たとえ交信をしなくても1対1の交信の内容によって仲間全員に現在の状況が伝えられるメリットがあります。
IP無線が効果的な産業
IP 無線は運送業や輸送業など比較的広い範囲を動き回る業務の無線に有効です。
タクシーはかなり広い範囲をサービスエリアとしており、従来の無線でサービスエリア内で通信をするためにはかなりの費用を必要としていましたが、 IP 無線を使えばスマホの通信装置を使えるので費用をかなり抑えられます。
しかも無線のサービスエリアを心配する必要がなく全国どこでも通信ができるので、ロングで通常のサービスエリア内にタクシーがあったとしても常に通信ができるという安心感があります。
従来のタクシー無線は都内のタクシー無線であっても北は埼玉南は神奈川県ぐらいしか通信ができませんでしたが、 IP 無線を使えば関東一円どころか日本全国と通信ができるのです。
【#帝都自動車交通 公式プレスリリース】
2月24日よりIP無線配車システムを導入しました帝都自動車交通株式会社はグループ会社を含む都内タクシー1,057 台を対象に 2019 年 2 月 24 日(日)より株式会社デンソーテンの IP 無線配車システム
による配車を開始しました。https://t.co/1SQx54ixtB pic.twitter.com/pZ59UtgA5N— タクシーニュース (@Taxi_News_) 2019年2月26日
従来のバスやタクシーの無線では、路線バスのサービスエリアぐらいしか通信ができませんでしたが、 IP無線を使うと例えば夜行バスなど全国をサービスエリアとするバス同士が常に通信できるようになります。
バスは以前バスジャックがありましたが、通信手段がなく状況が分からず初動対応が遅れたという事件がありました。
IP 無線を使えばバスのどこにいても本部や警察と連絡が取れるようになり、重大なアクシデントが発生してもすぐに対応ができるようになりました。
IP 無線はデータ通信との親和性が高くなっているので、トランシーバーについている GPSの位置情報を本部にリアルタイムで送ることができ、本部のパソコン上に現在のバスの位置をリアルタイムで表示することができます。
こうすることにより効率の良いバス運行はもとより、事件発生時に事件現場の位置を的確に把握ができるというメリットがあります。
【京都観光バス】
弊社のIP無線についてツイートいたしましたが、内容をご説明していなかったので動画を撮影しました。写真ではホルダーに線が繋がった状態でしたが線は充電するためのものでハンディマイクと本体のスマートフォンはBluetoothで繋がっております。動画のような使用もできます。 pic.twitter.com/u2XOB49y9K— 京都観光バス株式会社(公式) (@kyoto_kankobus) 2018年2月19日
その他の業務でも有効
伝送は、メインがCATV回線を使う16QAMの変調器。予備回線がSkypeのTalkShowという機械で送ってます。
また現場とCATV本社とはIP無線機で単独の連絡回線を構築しています。IP無線機なかなかいいですね。 pic.twitter.com/m41hPimw3f— 有限会社ビビッド (@obvan) 2016年7月30日
一般の業務用無線においても IP 無線は大きなメリットがあります。
IP 無線のトランシーバーの種類によっては、 電話と同じように双方向通信ができるのでトランシーバーの操作に戸惑わず使えるようになります。
また電話より大きなメリットとして、多人数が同時に通信できます。
井戸端会議的な通信がしやすくなると同時に、誰かが通信しているときでもその通信に簡単に割り込めるので、非常事態が発生した時など素早く状況を全員に連絡ができるようになります。
IP 無線はスマホの電波を利用しているので、盗聴にとっても強い通信方式になっています。
従来の無線方式では市販されている受信機で通信内容を受信ができましたが、スマホの電波は強力な暗号方式に使われており、大国の通信機器を使ってもその内容を解読ができないくらい強力な暗号方式ですので、基本的に登場が不可能です。
業務上でも、ライバルなどに通信内容を聞かれ、出し抜かれるという状況にならないのでとても安心です。
IP 無線はほとんどデメリットがない通信方式と言えます。
IP無線でできないこと
相手 IP 無線のデメリットあげれば、 スマホの電波が届かない所では通信ができません。山の上や公海上など、スマホの電波がなかなか届かないところでは全く通信ができません。
たとえ隣にトランシーバーがあったとしても、携帯電話の電波がなければ通信できないのです。
携帯電話の電波が届いていない特殊な環境は、 IP無線の使用は向きません。
例えば山の上や公海上、災害時で携帯電話の基地局がダウンしたときは、IP無線は使えません。
これ以外の場所では IP 無線は最強のトランシーバーと言えるでしょう。
今後様々な業務用のトランシーバーは IP 無線に変わっていくと思われます。
レンタルで試してみよう
ただ従来からのトランシーバーを使っている方々には、 IP無線ってちょっと訳が分からないトランシーバーかもしれません。
そういった場合にはまずレンタルで使ってみて試してみてください。
デジタル無線特有の音声の遅延も、普段あなたが使っているデジタルトランシーバーと大して変わらないぐらいの遅延と感じはずです。
アンテナが小さくても通信距離にそれほど大きな差が出なかったり、バッテリーの持ちも従来のトランシーバーに比べると出力が小さくて済むぶんかなり小型に済みますのでトランシーバー本体が小型ですみ持ち運びが楽になっています。
是非レンタルで IP 無線の素晴らしさを試してみてください。